薬王堂気まぐれ通信使№811   2020-6-21
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

今年の2月末以来、世界は大変なことになりました。
新型コロナウイルスが世の中を一変いたしました。
6月に入り日本ではようやく国内移動が可能になって少しづつですがイベントの開催が可能になってきました。
この度は広島県地域対策協議会の活動として安芸薬剤師会の協力のもと畑賀地区の中須賀神社内での薬草に親しむ会でお話しさせてもらいました。
朝は10時から正午までの2時間でしたが楽しいひと時を過ごしましたので紹介させてもらいます。
参加くださったのは地域の方々を含め約35名でした。


畑賀地区・中須賀神社駐車場にて


中須賀神社の社叢は広大で大切に守られてきたことがよくわかります。
約200段の急な石階段を上る周りはコジイ林に覆われています。
今回は駐車場に集合して出発しましたので広葉樹を多く見かけました。
スギ・ヒノキ・アカマツ・カクレミノ・ヒサカキ・サカキ・ノダフジ・ヤマフジ・ハリエンジュ・チャノキ・ザクロ・クスノキ・ネジキ・アセビ・サンショウ・クロガネモチイソノキ・ソメイヨシノ・コバノガマズミ・ミツバアケビ・ユッカ・ウバメガシ・サルトリイバラ・コバノミツバツツジ・コジイ・アラカシ・コナラ・クリ・テイカカズラ・イタビカズラ・クコ・コシアブラ・ヌルデ・モッコク・カナメモチ・ヤマハゼ・ヤマウルシ・ハゼノキ・ツタウルシ・コウヤボウキ・モミ・ホオノキなどの樹木で構成されていました。
背の低い草本では、ウツボグサ・ニガナ・ドクダミ・ヒメオトギリソウ・カキドオシ・オオバコなどが目に付きます。


ニガナ


Social distanceを保ちながら時勢に逆らわないようにして薬にまつわるいろいろな話しをしましたね。

先ずはチャノキがありましたので日本に入ってきたのは風邪などの薬用が先で、その後に茶道が広まったこと、、、
サルトリイバラの根は和の山帰来と呼ばれ、江戸時代には性病を含む化膿性疾患に頻用されてきたこと、、、
クコは実や葉、樹皮を老化防止や体力増強に用いること、、、
カキドオシは連銭草と言われ利尿作用があり胆のう結石や尿管結石の民間薬として用いられること、、、
ミツバアケビアケビの蔓はやはり利尿作用があり痛みを取る漢方薬に配剤されていること、、、
サンショウの実にはミカン科特有の油点があり蠕動運動を正常にして薬用人参や乾姜を含む大建中湯の構成生薬であること、、、
ウツボグサは弓矢を入れる靭に似る花後の姿から夏枯草と呼ばれていること、、、
ホオノキの樹皮を半夏厚朴湯という咳止めの漢方薬に使うこと、、、
その他、薬用と関係のないヤマフジ(右ねじ巻き)・ノダフジの蔓の巻き方に違いがあること、、
アセビは馬酔木と書き有毒で鹿や牛馬は絶対に食べないこと、、
コシアブラの新芽はこの地域でバカの芽と呼んでおひたしにして食べたらタラの芽よりおいしいこと、、
サカキとヒサカキの区別、、シダ植物で正月の飾りに用いるのがウラジロであり松茸を突き刺して持ち帰ったのがコシダであることなど話はあっちに行ったりこっちに行ったり・・


二時間の山歩きはあっという間に過ぎました。
歩きやすい平坦な日陰であったことなど観察にはもってこいの午前中でした。
昔、美人であっただろうなという方々が多く参加くださり話し甲斐もありました。

午後からは興奮を鎮めるために一人海に出ました。


瀬戸内海にて、向こうは宮島


ここではマスクもフェイスフィールドも不要です。


奈佐美島


夕方には部分日食が見られるという!
日が沈むまで海にいました。


部分日食を灯す灯台


多くは釣れませんでしたが2~3日分のおかずには十分です。
海はいつ来てもいいです!
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